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がん:トリプルネガティブ乳がんでのBETブロモドメイン阻害剤に対する反応と耐性
Nature 529, 7586 doi: 10.1038/nature16508
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は不均一であり、臨床的には侵襲性の強い疾患であって、このがんに対する標的治療は存在しない。BETブロモドメイン阻害剤は、がんの複数のモデルで有効性が示されたが、TNBCでは評価されていない。このような阻害剤は、BRD4などのBETブロモドメインタンパク質とアセチルリシン認識モジュールへの結合を競合することで、これらをクロマチンから解離させ、これが発がん性転写プログラムの阻害につながる。今回我々は、in vitroおよびin vivoでTNBCがBETブロモドメイン阻害に対して選択的な感受性を示すことを報告し、臨床研究のための論理的根拠を確立し、さらに耐性機構解明を進める理由を示す。BET阻害剤に以前は感受性を示したTNBCから選択された耐性獲得株と、感受性の親細胞株を対として比較したところ、ゲートキーパー変異、新しいドライバー事象あるいは薬剤排出ポンプ活性化は明らかにできなかった。BET耐性TNBC細胞は依然として野生型BRD4に依存しており、これはブロモドメインとは無関係に転写や細胞増殖が起こっていることを裏付けている。耐性TNBCのプロテオミクス研究から、MED1との強力な結合とBRD4の過剰リン酸化が突き止められ、過剰リン酸化はPP2Aの活性低下によるもので、このPP2Aは重要なBRD4セリンホスファターゼであることが今回明らかになった。まとめると、これらの結果からTNBCでのBET阻害の論理的根拠が得られ、またBET阻害薬を臨床で使用した際の、薬剤耐性の発生を見込んだ、機構に基づく併用戦略が考えられる。

