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発生生物学:in vitroのプライム型エピブラストではNANOGのみでエンハンサーの活性化により生殖細胞が誘導される

Nature 529, 7586 doi: 10.1038/nature16480

胚盤胞の内部細胞塊での中心的な多能性因子であるNanogは、マウスの単分化能を持つ始原生殖細胞(PGC)にも発現しているが、PGCにおけるNanogの正確な役割はまだ解明されていない。これについて明らかにするために、我々はナイーブ型多能性の胚性幹(ES)細胞から塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)とアクチビンAによりエピブラスト様細胞(EpiLC)を作製し、その細胞からPCG様の細胞運命を誘導するというin vitroモデルを用いて調べた。これまでにこのin vitroモデルを用いて、骨形成タンパク質4(BMP4)、あるいは生殖細胞系列の主要な転写因子であるPrdm1Prdm14Tfap2cの異所性発現により、EpiLCからPGC様細胞(PGCLC)が誘導される一方、ES細胞から直接PGCLCは誘導できないことが分かっている。今回我々は、EpiLCからNanogのみでPGCLCが誘導できること、またこれはBMP4に依存していないという予想もしなかった発見を報告する。我々は、EpiLCを確立する過程で、ナイーブ型ES細胞の多能性ネットワークが解除された後に、エピゲノムが細胞運命決定のためにリセットされることを提案する。実際に、ES細胞とEpiLC間ではNANOGのゲノム結合パターンがゲノム全域にわたり変化することが見いだされたことは、調節エレメントのエピジェネティックなリセットが起こることを示している。それと一致して、NANOGはin vitroのEpiLCでPrdm1Prdm14のエンハンサーに結合して、それらを活性化できることが分かった。その後BLIMP1(Prdm1にコードされる)は、Tfap2cを直接誘導する。さらに、SOX2やNANOGは、ES細胞では多能性状態を促進するが、EpiLCでは対照的な役割を示し、Sox2NanogによるPGCLC誘導を特異的に抑制する。この研究は、発生過程で重要な転写因子が状況依存的な役割を果たす、という細胞運命の決定に向けて細胞が分化能力を獲得する仕組みについての広く適用可能な機構的原理を実証している。

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