Letter

分子生物学:DNAメチル化と転写因子の間の競合がNRF1の結合を決定する

Nature 528, 7583 doi: 10.1038/nature16462

真核生物の転写因子は遺伝子活性の主要な決定因子であるが、それらの転写因子が結合するのは、どのような細胞タイプでも、対応するDNA配列モチーフのごく一部のみである。クロマチンは、結合部位への接近可能性を制限することができるが、どのような状況においてクロマチン状態が転写因子の結合に有利になるのかはよく分かっていない。制約された転写因子結合へのDNAメチル化の関与を調べるため、我々はマウスの幹細胞でDNAメチル化がある場合とない場合で、DNアーゼI高感受性部位をマッピングした。メチル化が制限された部位はCpGを含む転写因子結合モチーフが多く、とりわけNRF1の結合モチーフが多かった。実際、転写因子NRF1は、メチル化されていないゲノムではさらに数千か所に結合し、転写を増加させる。de novoにメチルトランスフェラーゼ活性を回復させると、これらの部位で再メチル化が始まり、NRF1の結合との競合で圧倒的に有利となる。このことから、DNAメチル化感受性転写因子の結合は、局所的な低メチル化を誘導する別の決定因子に依存していると考えられる。このモデルを支持する証拠として、シスに位置する近傍のモチーフやトランスに位置する転写因子を除去すると、局所的な過剰メチル化が起こり、NRF1の結合が失われる。このin vivoでのDNAメチル化と転写因子の間の競合は、DNAメチル化を介して間接的に働く転写因子間の協同作用の一例である。メチル化非感受性因子によるメチル化の除去は、メチル化感受性因子の結合を可能にする。これは調節領域の低メチル化を説明する1つの原理である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度