Letter

生態学:ネオニコチノイド系農薬への曝露でマルハナバチによる作物の花粉媒介サービスが低下する

Nature 528, 7583 doi: 10.1038/nature16167

近年の全球的な花粉媒介者減少に対する懸念から、農薬がハナバチに及ぼす影響について多くの研究が行われている。野外でハナバチが致死レベルの農薬に遭遇することは通常ないが、野外で実際に存在するレベルの農薬曝露でも、ハナバチに対して亜致死性の作用を及ぼし、採餌行動や帰巣能力、繁殖成功度に影響を与える場合がある。ハナバチはさまざまな作物や大多数の野生被子植物の花粉媒介に不可欠だが、農薬の影響に関するこれまでの研究はハナバチそのものに対する直接的な影響に限られており、ハナバチによる花粉媒介サービスに対する影響についての研究はなかった。今回我々は、世界中で経済的重要性の高い作物であるリンゴに対するマルハナバチの花粉媒介サービスが、農薬曝露によって低下する可能性があることを示す、我々の知るかぎりで初めての証拠を提出する。ネオニコチノイド系農薬にさらされたマルハナバチのコロニーでは、リンゴの木を訪れる回数が減り、花粉採集の頻度が減った。特に重要なのは、これらのコロニーの農薬曝露によって、実ったリンゴに含まれる種子数が減ったことで、これは花粉媒介サービスによる受粉量が減少したことを示している。今回の結果からはまた、花粉媒介サービスによる受粉量の減少は、農薬がハナバチ個体の行動に引き起こした変化によるのではなく、コロニーレベルでの影響による可能性が高いことも示された。これらの知見は、農薬曝露がハナバチの花粉媒介サービス能力を低下させる恐れがあることを示しており、安定した作物収量の持続的提供という点でも、自然生態系の機能という点でも重要な意味を持つ。

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