地球:火山噴火時の熱的発泡
Nature 528, 7583 doi: 10.1038/nature16153
地球上の火山噴火は、地球表面に上昇してくるマグマによって生じる。マグマの上昇は浮力によって駆動され、浮力は、泡の核形成と成長(発泡)によってマグマの密度が小さくなることで強くなる。さらに発泡度の発達は、溶岩の破砕を、従ってその爆発能力を支配する物質パラメーターである、マグマの「強度」を大きく低下させる。マグマの発泡度の発達は、マグマ内にある水の溶解度の圧力依存性と、減圧時の気体の飽和、離溶、膨張を駆動するその役割の観点から、熱力学的および運動学的にこれまで調べられてきた。一方で、十分な裏付けのあるマグマ内での水の溶解度の負の温度依存性の影響の可能性はほとんど無視されてきた。最近、岩石学的制約から、ひずみが局在している領域の粘性加熱や摩擦加熱だけでなく、結晶化の潜熱の一般的な結果として、マグマがかなり加熱されている可能性が示されている。本論文では、減圧ではなく加熱に起因するマグマの発泡と破砕の野外観測と実験的観測の結果を提示する。グアテマラにあるサンティアギート火山で得られた火山灰の組織分析によって、マイクロメートルスケールの気泡を含む、化学的に不均一な繊維の存在が明らかになった。この組織は、断層摩擦実験の際の急速な加熱で生じた非平衡溶融によって発達した組織を反映しており、水を含む珪長質マグマが溶融し発泡が起こるのに十分な熱を、摩擦が生成し得ることを立証している。実験的に決められたマグマ内の水の溶解度の温度圧力依存性を考えると、多くの上昇経路で、減圧よりも加熱によってより効率的に離溶が生じる可能性が明らかになった。上昇の際にマグマが経験する熱的経路が、脱ガス、発泡、マグマ強度、火山噴火の際の噴出から爆発への変化を強く支配していると、我々は結論する。

