Letter

細胞生物学:非対称性細胞分裂中の紡錘体非対称性による極性化したエンドソームの動態

Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16443

非対称性分裂中、細胞表層の運命決定因子は2つの娘細胞に不均等に分離される。最近、細胞質のSara(Smad anchor for receptor activation)シグナル伝達エンドソームもまた非対称性分裂中に非対称に分離されることが示された。ショウジョウバエ(Drosophila)で感覚器官前駆細胞の非対称性分裂中に、Saraエンドソームの偏った輸送が非対称性Notch/Deltaシグナル伝達を引き起こす。ハエでは、腸と中枢神経系の幹細胞、ゼブラフィッシュでは脊髄の神経前駆細胞で、これが一般的である。しかし、エンドソームの非対称性分離の機構は分かっていない。今回我々は、プラス端キネシンモーターKlp98AがSaraエンドソームを中央紡錘体に向かわせ、そこでSaraエンドソームが微小管の逆平行アレイ上を両方向性に動くことを示す。微小管脱重合性キネシンKlp10AとそのアンタゴニストであるPatroninが中央紡錘体の非対称性を作り出す。この非対称性紡錘体が、次にエンドソームの運動性を極性化し、その結果エンドソームの1つの娘細胞への非対称性輸送が引き起こされる。我々はこの機序を、単一ドメイン抗体(ナノボディー)を用いてPatroninの極性を標的化することで、中央紡錘体の極性を逆転させることによって明らかにする。この紡錘体逆転は、エンドソームを間違った細胞へと向かわせる。我々の結果から、細胞表層から離れて局在する細胞内小器官の非対称性分裂中の非対称性輸送を可能にする、分子的・物理的機構が明らかになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度