Letter
惑星科学:(1)ケレス上の太陽系外縁部起源と思われるアンモニア化層状ケイ酸塩
Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16172
地上望遠鏡や宇宙望遠鏡を使った準惑星(1)ケレスの研究から、これに最も類似する隕石のタイプは揮発性物質に富むCI炭素質コンドライトとCM炭素質コンドライトであると考えられている。ケレスの表面にあるものとしては、粘土鉱物の水やアンモニア化層状ケイ酸塩、あるいはMg(OH)2(ブルーサイト)とMg2CO3、鉄に富んだ蛇紋岩の混合物などが提案されている。特に、ケレスの中赤外域スペクトルの解析からは、ブルーサイトの存在が示唆されている。しかし、OH伸縮振動やH2Oの変角倍音が見いだされる、2.5~2.9 μmの波長域の地球大気の吸収帯でスペクトルデータが得られていないため、決定的な同定が妨げられている。その上、ケレスの周囲では、おそらく局在化した発生源から生じていると考えられる水蒸気が最近報告されている。本論文では、ケレス表面から約4300~8万2000 kmの距離で得られた0.4~5 μmのスペクトルについて報告する。我々の測定は、ケレスの表面全体にアンモニア化層状ケイ酸塩が広がっていることを示しているが、水氷は検出できなかった。有機物質または氷のどちらかとして降着したアンモニアは、分化中のケレス上で層状ケイ酸塩と化学反応した可能性がある。このことから、太陽系外縁部起源の物質が、太陽から遠く離れた場所でのケレスの形成時に取り込まれたか、主小惑星帯に運ばれてきた物質が取り込まれたかのどちらかであることが示唆される。

