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分子生物学:非結合状態および転写状態にあるRNAポリメラーゼIIIの分子構造

Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16143

転移RNAやスプライソソームU6核内低分子RNA、5SリボソームRNAなどのはっきりした構造を持つ低分子RNAをコードしている遺伝子の転写は、RNAポリメラーゼIII(Pol III)により行われる。Pol IIIは最も大型の真核生物RNAポリメラーゼだが、詳しい構造の解明が最も遅れているRNAポリメラーゼでもある。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来Pol IIIについて、伸長中の複合体(分解能3.9 Å)と2つの異なるコンホメーションを採っているアポPol III酵素(分解能はそれぞれ4.6 Åと4.7 Å)の低温電子顕微鏡構造を示す。これらによって、Pol IIIの17サブユニットからなる原子モデルの構築が可能になった。それぞれの再構築像から、ストーク(柄)と近接しているC82–C34–C31ヘテロ三量体の正確な配置方向が明らかになった。C53–C37ヘテロ二量体では、複写の終結に関わっている残基が非鋳型DNAストランドの近くに位置している。アポPol III構造中では、クランプの閉と開のコンホメーションと連動して、ストークが異なる方向を採ることが分かった。我々の結果から、Pol III特異的な転写と、Pol IIIの低分子転写標的への適応に関する新規な手掛かりが得られる。

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