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細胞生物学:複製ストレスが有糸分裂でのDNA修復合成を活性化する

Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16139

がん遺伝子が誘発するDNA複製ストレスは、腫瘍発生のドライバーの1つであると考えられてきた。ヒトのがんに特徴的に見られる染色体再編成の多くは、ゲノム中の一般的脆弱部位(common fragile site;CFS)と呼ばれる特殊な領域から生じる。CFSは複製しにくい遺伝子座で、特に細胞が複製ストレスに曝されたときには、中期染色体上のギャップや切断となって顕在化する(CFSの「発現」と呼ばれる)。MUS81–EME1構造特異的エンドヌクレアーゼは、複製ストレス後に染色体のギャップや切断がCFSに出現するのを促進する。今回我々は、細胞が有糸分裂前期に入ると、それが引き金となってMUS81がCFSへと引き寄せられることを明らかにする。次にMUS81のヌクレアーゼ活性がCFSでのPOLD3に依存したDNA合成を促し、これが染色体の誤った分離や不分離を最小限に抑える働きをする。我々は、ヒト細胞において複製が不完全な遺伝子座を有糸分裂の早い段階で凝縮しようとすることが、CFSでのDNA複製を終了させる引き金として働くと考える。このようなPOLD3に依存した有糸分裂時のDNA合成が、本質的に染色体不安定性が高く(CIN+)、複製ストレスレベルの高い異数体がん細胞で亢進していることから、この経路を標的にすれば新たな治療法につながる可能性があると考えられる。

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