固体地球科学:高い仕事率における岩石摩擦のスケール依存性
Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16138
地震の大半は断層に沿った摩擦すべりによって生じるので、岩石の摩擦特性を決定することは地震の力学を理解する上で重要である。回転剪断装置を用いたこれまでの研究は、すべり速度の増加と仕事率(単位面積当たりの力学的仕事率は剪断応力とすべり速度の積に等しい)の増加とともに、摩擦強度が顕著に低下することを明らかにしており、強度の低下によって大きな応力降下と強い揺れが起こる可能性を示している。しかし、これらの重要な発見は、わずか数センチメートルの大きさの岩石試料を用いた実験によって得られており、自然の断層の大きさ(1000 mのオーダー)よりはるかに小さい。本論文では、メートルサイズの岩石試料を用いる大規模二軸摩擦装置を用いて、スケールに依存した岩石の摩擦を調べた。実験結果は、メートルサイズの岩石試料の岩石摩擦は、センチメートルサイズの岩石試料より1桁小さい仕事率で減少し始めることを示している。力学的、視覚的、物質的な観察は、すべりとともに発達する断層上の応力不均一性によってその違いを説明できることを示唆している。これらの観測に基づき、摩擦すべりによってその外側より多くの摩耗物質(ガウジ)が生成される応力集中領域が存在し、こうした領域にはさらなる応力集中がもたらされることを提案する。断層上の剪断応力は、主に高い仕事率を受ける応力集中領域によって支えられ、こうした領域は急速に弱化して巨視的な摩擦強度の突然の減少を引き起こす。この考えを検証するために、局所的な摩擦がセンチメートルサイズの岩石試料で観測される摩擦特性に従うことを仮定した数値シミュレーションを実施した。シミュレーションは、メートルサイズの岩石試料で観測された巨視的な摩擦特性を再現した。局所的な応力集中が自然界で一般的に起こるならば、この結果は、センチメートルサイズの岩石試料から見積もられる特性から予想されるよりも速く、自然断層の強度が失われる可能性があることを示唆している。

