細胞生物学:FGFシグナル伝達はオートファジーを介して骨成長を調節する
Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature16063
骨格の成長は生合成と異化の両方の過程に依存している。生合成過程の役割は明確に立証されているが、異化過程が成長促進経路にどのように関わっているのかはよく分かっていない。マクロオートファジー(以下、オートファジーとする)は組織恒常性の基本的な部分を担う異化過程である。我々は骨成長過程でのオートファジーの役割を調べた。骨成長は、成長板での軟骨細胞の増殖速度や肥大型分化、細胞外マトリックス(ECM)の沈着に仲介される。今回我々は、出生後の成長過程では成長板の軟骨細胞でオートファジーが誘導され、軟骨ECMの主要な構成要素であるII型コラーゲン(Col2)の分泌を調節することを示す。軟骨細胞のAtg7(autophagy related gene 7)が欠損しているマウスでは、II型プロコラーゲン(PC2)の小胞体への蓄積や、ECMでのCol2繊維性ネットワークの形成障害が起こる。意外なことに、軟骨細胞での出生後のオートファジー誘導は、増殖因子FGF18により、FGFR4とオートファジー開始複合体VPS34–beclin-1のJNK依存的活性化を介して行われる。Fgf18−/−胚の成長板ではオートファジーが完全に抑制されているが、Fgf18+/−ヘテロ接合性マウスおよびFgfr4−/−マウスでは出生後の成長過程でオートファジーが誘導されず、成長板でのCol2レベルの低下が見られる。Fgf18+/−やFgfr4−/−の表現型は、in vivoで薬理学的なオートファジー活性化によって救済され、これはオートファジーが骨でのFGFシグナル伝達のこれまで知られていなかったエフェクターであることを示している。今回の我々のデータは、オートファジーが発生に際して調節される過程で、骨成長に必要とされることを実証しており、また軟骨細胞ではFGFシグナル伝達がオートファジーの重要な調節因子であることを明らかにしている。

