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多能性幹細胞:ヒストンシャペロンCAF-1は体細胞の固有性を守る安全装置である
Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature15749
細胞の分化では、クロマチンの全体的状況が大規模に再構成されるが、体細胞としての固有性がその後も維持される仕組みは完全には分かっていない。我々は体細胞としての状態を保護する調節経路についてさらなる解明を進めるために、転写因子を用いてマウス繊維芽細胞を誘導多能性幹細胞(iPS細胞)へ再プログラム化する過程で、クロマチン因子を標的とした2種の網羅的RNA干渉(RNAi)スクリーニングを行った。どちらのスクリーニングでも、ヒット率が最も高かったのは、Chaf1aとChaf1bなどのCAF-1(chromatin assembly factor-1)複合体のサブユニットで、リシンのSUMO化やヘテロクロマチン維持のモジュレーターがそれに続いた。CAF-1と転写因子レベルの両方を最適に調節することで、再プログラム化効率が数桁高まり、iPS細胞の形成をわずか4日に促進した。機構的には、CAF-1を抑制すると、再プログラム化の初期にエンハンサーエレメントの部位がより到達しやすいクロマチン構造になる。これらの変化に伴って、体細胞のヘテロクロマチン領域が減少し、Sox2の多能性特異的標的への結合が増え、関連遺伝子の活性化が起こる。CAF-1の抑制はまた、B細胞からマクロファージへ、および繊維芽細胞からニューロンへの直接変換も亢進することは重要である。以上より、ヒストンシャペロンCAF-1は転写因子による細胞運命の遷移の際に体細胞の固有性を保つ新たな調節因子であることが明らかになり、ある再生の状況において細胞可塑性を調節するための1つの戦略候補が示された。

