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がん幹細胞:バーコーディングで明らかになったde novoに形質転換したヒト乳房細胞の複雑なクローン動態
Nature 528, 7581 doi: 10.1038/nature15742
ほとんどのヒト乳がんは、臨床症状が明らかになる頃には、そのゲノムや生物学的性質に多様化が生じている。従って、その起源に関わる初期過程や、そうした過程が起こる細胞の状況の特徴を明らかにすることは難しい。本研究では、正常なヒト乳房組織から単離され、単一のがん遺伝子(KRASG12D)により形質転換された基底細胞と内腔前駆細胞が、独立して持つ共有した能力によって、免疫不全マウスの腎臓下や皮下に導入されてから8週間以内に、連続的に移植可能でポリクローナルな浸潤性の腺管がんを生み出すという初めての正式な証拠を示す。この初期細胞のDNAバーコーディングにより、それらの細胞から形成されたクローンの数と大きさに2週間以内に劇的な変化が起こり、多くの「新しい」クローンは、二次レシピエントへ継代された腫瘍で初めて出現することが分かった。原発腫瘍と二次性腫瘍は、いずれも表現型的に不均質であり、原発腫瘍は転写的には「正常」様に分類される。これまでは、正常なヒト上皮における発がんは、複数のドライバー変異の獲得を必要とする必然的に遅い過程であると考えられていたが、我々の系はこの概念に異議を唱える。また本研究は、ヒト乳房悪性腫瘍細胞集団の発生と進化に伴って起こる初期過程を初めて示し、その性質に不均質性が速やかに生じ得るという新たな知見をもたらすものである。

