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気候科学:観測によって絞り込まれた南極氷床不安定による海水準上昇の可能性

Nature 528, 7580 doi: 10.1038/nature16147

海面より低い岩盤上にある南極氷床の大部分は、海洋変動や大気変動がきっかけとなる接地線の自立的な後退という、海洋性氷床不安定(MISI)の影響を受けやすい可能性がある。1 m以上の全球海水準上昇に相当する氷を含む、アムンゼン海湾(ASE)全体でMISIが進行している可能性を示す証拠が増えている。他の地域でも誘発されれば、100~1000年スケールでの寄与は数メートルになり得る。物理的に妥当な予測は困難で、接地線で働く過程を十分な空間分解能でシミュレートする数値モデルの計算は、費用が掛かり過ぎて不確実性を評価するための大きなアンサンブルを生成できず、低分解能モデルの予測は、現在の変化によって緩くしか絞り込めないパラメーター化に依存している。本論文では、ASEが支配的な南極氷床の寄与は、2100年までに最大30 cmの海水準上昇に相当し、2200年までに72 cmになる(95パーセンタイル)と予測する。今回の過程に基づく統計的手法からは、ゆがんだ複雑な確率分布が得られる(2100年には単一モードで10 cm、2200年には2モードで49 cmと6 cm)。底面の摩擦に対するすべりの依存性は重要な未知数であり、非線形関係からはより高い寄与が予想される。結果は、気候シナリオA1Bの下で予想される誘因に基づくMISIリスクの評価を条件とするが、リスク評価に対する感度は、氷床減少の速度と広がりに対する理論的制約条件と地形上の制約条件によって制限される。こうした制約条件の組み合わせ、観測されるASEでの氷床減少のシミュレーション結果を用いた較正、いくつかの盆地では評価されたリスクが低いことによって、寄与が限定されることが分かった。今回の評価は、低分解能モデルと物理的な論拠による見積もりの上限値(2100年までに最大1 mおよび2200年までに約1.5 m)は、現在理解されている物理的機構と潜在的な誘因からはありそうもないことを示唆している。

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