Letter

宇宙物理学:超高輝度超軟X線源からの相対論的バリオンジェット

Nature 528, 7580 doi: 10.1038/nature15751

降着コンパクト天体による相対論的ジェットの形成は、宇宙物理学における重要な未解決問題の1つである。理論的にはほとんど分かっていないが、マイクロクエーサー(コンパクト連星)と呼ばれる系から生じる相対論的ジェットの観測結果から、現象論がよく確立されている。相対論的ジェットは、軟/超軟X線スペクトルを伴う光源から作り出されないと予想されているが、2つのそうした系が比較的低速度の双極流を放出していることが知られている。本論文では、近傍銀河M81内にある超高輝度超軟X線源(M81 ULS-1)の光学スペクトルを報告する。意外なことに、このスペクトルは、相対論的速度のバリオンジェットの特徴である青方偏移した幅広いHα輝線を示している。こうした時間変動する輝線は、光速の17%程度の投影速度を持ち、典型的なマイクロクエーサーSS 433からのジェットに類似しているように思われる。このような相対論的ジェットが白色矮星から放出されるとは予想されておらず、ブラックホール起源や中性子星起源ということもM81 ULS-1の軟X線の持続性とは一致させがたい。ゆえに、予想されなかった相対論的ジェットがULS内に存在することは、標準的なジェット形成理論に疑問を投げ掛けるものであるが、長い間推測されていた光学的に厚いアウトフローを有する超臨界降着ブラックホールで説明できる可能性もある。

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