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惑星科学:無衝突近接遭遇と月傾斜角の起源

Nature 527, 7579 doi: 10.1038/nature16137

月は、惑星集積の末期に、惑星サイズの天体と原始地球の衝突によって放出された破片から形成されたと一般的に考えられている。衝突過程のモデルでは、月物質は分散して周惑星円盤となり、その後、月の集積によって、赤道軌道に近い軌道上に月が位置するようになったと予想されている。この初期状態から月の軌道を前方積分していくと、軌道傾斜角の予測値は今の値よりも少なくとも1桁小さくなる。これは、月の傾斜角問題と呼ばれる長年にわたる矛盾である。本論文では、現在の月軌道から、月形成イベント時にはまだ集積していなかった、地球軌道と交差した微惑星との重力相互作用に敏感な履歴が得られることを示す。現在観測されている月軌道は、少数の天体によってもたらされた少量の質量(地球に最終的に集積された、地球質量の0.0075~0.015倍程度)との相互作用で自然に再現することができ、後期集積の制約やモデルと一致する。近接遭遇過程は確率的な要素を含むが、月の傾斜角の観測値は幅広い範囲のパラメーターに対して最も可能性の高い結果の中に入る。月軌道の励起は、原始地球上で潮汐エネルギーの強い散逸を伴う、地球–月系と微惑星との無衝突近接遭遇を通して最も容易に再現される。この機構は、今まで提案されていた(しかし理想化された)励起機構の必要性をなくし、月形成イベントを地球形成の文脈の中に置き、地球–月系の力学的な初期状態に制約を与える。

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