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がん:上皮間葉転換は肺転移には不要だが化学療法耐性に寄与する
Nature 527, 7579 doi: 10.1038/nature15748
転移における上皮間葉転換(EMT)の役割については長らく議論が続いており、その大きな原因は、一過的で可逆的なEMT表現型をin vivoで観察できないことである。本研究では、乳房から肺への自然転移モデルで間葉特異的Creによる蛍光標識の切り替えシステムを用いてEMT細胞系譜追跡系を樹立し、この過程をマウスで観察した。我々は、主に上皮性の原発腫瘍では、EMTを起こしているのはごく一部の腫瘍細胞であることを示す。特に、肺に転移したがんは主として上皮表現型を維持している非EMT腫瘍細胞からなることは重要である。マイクロRNAのmiR-200を過剰発現させてEMTを抑制しても、肺転移の進行には影響しなかった。しかし、EMT細胞は化学療法後の再発性の肺転移形成に大きく寄与した。これらの細胞はシクロホスファミドの投与後も、増殖およびアポトーシス耐性の低下、化学療法耐性関連遺伝子の発現増加により生存した。miR-200を過剰発現させると、この耐性は消失した。本研究は、EMTを標的とする戦略が、乳がん治療で従来型の化学療法と組み合わせた場合に有効となる可能性を示唆している。

