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化学生物学:薬理学的特性が不明な受容体GPR68とGPR65に対するアロステリックリガンド
Nature 527, 7579 doi: 10.1038/nature15699
ヒトゲノムにある非嗅覚Gタンパク質共役受容体(GPCR)のうち、少なくとも120種類は内在性リガンドが分かっていない「オーファン」受容体であり、また、多くが選択的リガンドを持たないため、生物学的機能や臨床的関連性の解明が進んでいない。その1つがプロトン受容体であるGPR68だが、その生物学的特性を調べるための低分子モジュレーターは今のところない。今回我々は、酵母を基盤とするスクリーニングをGPR68に対して行い、ベンゾジアゼピン系薬ロラゼパムが、非選択的GPR68の正のアロステリックモジュレーターであることを明らかにする。3000以上のGPR68相同性モデルを改良し、ロラゼパムがアロステリック部位と想定される位置にあることが確認された。310万分子のドッキングにより新たなGPRモジュレーターが予測され、その多くが機能解析で確かめられた。GPR68の強力なモジュレーターである「ogerin」は、野生型マウスで恐怖条件付け後に記憶の想起を抑制したが、GPR68ノックアウトマウスでは抑制しなかった。同じやり方で、GPR65のアロステリックアゴニストと負のアロステリックモジュレーターも見つかった。物理学的スクリーニングと構造に基づくスクリーニングを併用するやり方は、十分研究されていないGPCRやオーファンGPCRのリガンドを見つけるために広く有用だと考えられる。

