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微生物学:真菌病原体は性フェロモン受容体を用いて宿主植物の出すシグナルを感知し、化学屈性を起こす
Nature 527, 7579 doi: 10.1038/nature15516
真菌病原体や共生菌が宿主植物からの化学的刺激の方向に向かって菌糸を伸ばすことは、100年以上前から知られている。しかし、植物が出すシグナルの正体も、この化学屈性応答の基盤となる機構もまだよく解明されていない。土壌中に生息する植物病原体のフザリウム属菌類Fusarium oxysporumは、宿主であるトマト(Solanum lycopersicum)の根に向かって伸長するが、今回我々は、この伸長を誘導するのが、全ての陸上植物に存在するヘム含有酵素ファミリーである分泌型クラスIIIペルオキシダーゼの触媒活性であることを示す。この化学屈性応答には、真菌細胞の完全性維持に関わるマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)カスケードのよく保存された成分と、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の性フェロモンα受容体の機能的ホモログである7回膜貫通型タンパク質Ste2が必要である。さらに、糖やアミノ酸といった栄養源に向かうF. oxysporumの菌糸伸長は、機能的に異なる別のMAPKカスケードによって制御されていることが分かった。これらの結果から、根に定着する真菌類でよく保存されている可能性のある化学屈性機構が明らかになり、真菌のフェロモン感知機構に、土壌のような複雑な環境中で植物宿主を探すという新しい機能があることが示唆される。

