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がん:TH1タイプのケモカインのエピジェネティックな抑制は腫瘍免疫と免疫療法を改善する
Nature 527, 7577 doi: 10.1038/nature15520
ヒストン修飾やDNAメチル化などのエピジェネティックな抑制は、重要な腫瘍形成機構の1つである。しかし、がんの免疫病理学的性質や免疫療法におけるその役割についてはよく分かっていない。本研究では、ヒトの卵巣がんをモデルとして用い、EZH2(enhancer of zeste homologue 2)を介したヒストンH3リシン27トリメチル化(H3K27me3)とDNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)を介したDNAメチル化が、1型ヘルパーT(TH1)タイプのケモカインCXCL9とCXCL10の腫瘍での産生を抑制し、それに続いてエフェクターT細胞の腫瘍微小環境への移動が制限されるようになることを示す。担がんマウスでは、エピジェネティック修飾剤の投与がこの抑制を解除してエフェクターT細胞の腫瘍への浸潤を増加させ、腫瘍のプログレッションを遅くし、PD-L1(programmed death-ligand 1;別名B7-H1)チェックポイント遮断や養子T細胞移入療法の治療効果を改善する。さらに、腫瘍のEZH2とDNMT1は、腫瘍に浸潤するCD8+ T細胞数と患者の転帰に対して負の関連を示す。従って、TH1タイプのケモカインのエピジェネティックな抑制は、腫瘍のこれまで知られていなかった免疫回避機構である。エピジェネティックな再プログラム化を選択的に行えば、がんにおけるT細胞の全体像を変化させ、がん治療の臨床効果を増強できるかもしれない。

