Letter

構造生物学:真核生物SWEET輸送体のホモ三量体複合体中での構造

Nature 527, 7577 doi: 10.1038/nature15391

真核生物は、エネルギーや炭素骨格の器官間での効率的な分配に依存しており、こうした分配は糖の形で行われる。動物ではグルコース、植物ではスクロースが主な分配形態として使われている。細胞での糖取り込みと放出には、小胞や細胞膜の輸送体タンパク質が必要とされる。ヒトと植物は糖の輸送に、MFS(major facilitator superfamily)、SSF(sodium solute symporter family;動物界でのみ使われる)とSWEETという3つのスーパーファミリーに属するタンパク質を用いている。SWEETは、単糖および二糖を液胞膜や細胞膜を横切って輸送する。植物のSWEETは、細胞内区画、細胞や器官の間での糖転流に重要な役割を担っていて、特に花蜜分泌、長距離にわたる転流のための師部ローディング、花粉の栄養摂取や種子登熟に重要である。植物SWEETは病原体感染性をもたらすが、これはおそらく感染細胞からの糖漏出によるものである。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のSWEETであるAtSWEET2は液胞膜に存在し、根の液胞に糖を隔離する。AtSWEET2の機能喪失変異体ではフハイカビ(Pythium)感染への感受性が上昇している。今回我々は、AtSWEET2のオルソログであるイネ(Oryza sativa)由来の液胞グルコース輸送体OsSWEET2bが、非対称な3本ヘリックスバンドルの対によって構成されていて、2つのバンドルは反転リンカー膜貫通ヘリックス(TM4)によって連結されて輸送経路を形成していることを示す。構造解析と生化学解析から、OsSWEET2bは内側(細胞質側)を向いた開状態でホモ三量体を形成しているように見えることが分かった。TM4はプロトマー中の一番目の3本ヘリックスバンドルと強く相互作用し、プロトマー間の重要な接触に関わっている。シロイヌナズナ由来の近縁パラログであるSWEET1の構造に基づいた変異導入によって、基質転流とプロトマーのクロストークに重要な残基が突き止められた。SWEET類の構造機能連関についての考察は、真核生物SWEETの輸送機構の解明に役立ち、糖流量の操作に有用となる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度