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材料科学:剛性の超疎水性表面上を自発的にトランポリンのように跳ね返る水滴
Nature 527, 7576 doi: 10.1038/nature15738
自然界やさまざまな技術では、表面から凝縮物質が自発的に移動することを利用して、自浄、防氷、凝縮制御が実現されている。しかし、大きな進展があったにもかかわらず、そうした挙動をもたらす現象はまだ完全には解明されていないため、その恩恵を受ける表面の合理的な設計は困難であった。今回我々は、低圧環境において超疎水性加工を施した表面にある水滴が、突然自発的に浮揚し、続いてトランポリンのように跳ね返って自ら移動でき、表面と連続的に衝突して加速されることを示す。こうした衝突は、表面の剛性が十分に高いにもかかわらず、反発係数(衝突前後の相対速度の比)が1より大きいため、一見すると熱力学の第二法則を破っているように思われる。しかし、こうした反発係数は、基板に付着し表面の構造が蒸気流を制限している間に、水滴が急速に蒸発して水滴下の圧力が高まることに起因する。さらに我々は、水滴が高い蒸発速度で蒸発しそれに伴って冷却されると、過冷却状態から凍結するため蒸発が急激に増大して、浮揚過程が強まることも示す。この効果によって、氷滴が凍結するとすぐに氷滴が浮揚して表面の着氷が自発的に妨げられる。こうした観察結果は低圧環境の系のみに関するものであるが、表面の微細構造化によって、液体の水滴や氷点に近い水滴が表面に保持されるのを妨げる、水滴と表面の相互作用がどのように生じるかを示している。

