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量子物理学:捕獲イオンにおける2個のフォノンのホン–オウ–マンデル干渉

Nature 527, 7576 doi: 10.1038/nature15735

ボソンとフェルミオンの量子統計は、2個の識別不可能な粒子が量子力学的にどのように干渉するかに現れる。ボソンである2個の光子が各入力ポートに光子が1個入るようビームスプリッターに入射すると、光子は2つの出力ポートのいずれかにまとまって現れる。対応する同時計数の消失が、ホン–オウ–マンデル効果である。本論文では、この効果のフォノン版を捕獲イオンのフォノン系において示す。フォノンは、振動運動を量子化して導かれる集団励起であり、ボース・アインシュタイン統計に従う。我々は、イオン間の相互クーロン斥力を利用してフォノンのビームスプリッター変換を実現し、その変換を用いて、2フォノン量子干渉実験を行った。2個のイオンサイト間でフォノン同時計数がほとんど完全に消失するのが観測され、フォノンを識別不可能なボソンと見なせることが確かめられた。ここで実証した2粒子干渉は純粋に量子効果であり、対応する古典版がないため、これを基にエンタングルメントの存在を実証できるはずである。我々は、同時計数の時間プロファイルにおけるホン–オウ–マンデル・ディップの中心においてフォノンのエンタングル状態を生成することを試み、この際、解析パルスの忠実度を適切に考慮すれば、フォノンのエンタングル状態がうまく生成されていると見なせると仮定した。ここで実証した2フォノン干渉は、捕獲イオン系におけるフォノンのボソンとしての性質の証明となる。今回の結果は、フォノンモード自体を量子情報の担体として確立する道を開き、ボソン系の量子シミュレーションやボソンサンプリングを介したアナログ量子計算の実現に向けて意味を持つものである。

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