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微生物学:イオンチャネルは細菌群集内の電気的コミュニケーションを可能にしている

Nature 527, 7576 doi: 10.1038/nature15709

細菌のイオンチャネルの研究は、ニューロンのシグナル伝達の構造基盤を解明するための基本的な手掛かりをもたらしてきたが、細菌のイオンチャネルが本来どのような役割をしているのかはまだよく分かっていない。今回我々は、イオンチャネルが細菌性バイオフィルム群集内で空間的に伝播するカリウムの波を通じて長距離の電気シグナルを伝えていることを示す。こうしたカリウムの波を引き起こしているのは、代謝トリガーが細胞内カリウムの放出を引き起こし、その放出されたカリウムが次に、隣接する細胞を脱分極させるという正のフィードバックループである。この脱分極の波はバイオフィルム内を伝播し、バイオフィルム内部および辺縁部の細胞間の代謝状態を協調させている。カリウムチャネルを欠失させるとこの応答は消失した。さらに、数理モデルで予測されたとおり、カリウムチャネルの開閉に対する特異的な遺伝的摂動によって空間的な伝播が妨げられ得ることが明らかになった。これらの結果を総合することで、細菌性バイオフィルムにおけるイオンチャネルの機能が明らかになり、細胞性群集において能動的な長距離の電気的シグナル伝達を示す原核生物の範例が得られた。

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