免疫学:炎症性カスパーゼによるGSDMDの切断はピロトーシス細胞死の開始を決定付ける
Nature 526, 7575 doi: 10.1038/nature15514
炎症性カスパーゼ(カスパーゼ-1、-4、-5および-11)は、自然免疫防御に不可欠である。カスパーゼ-1は多様な古典的インフラマソームのリガンドによって活性化され、カスパーゼ-4、-5および-11は細菌のリポ多糖を直接認識し、いずれのカスパーゼもピロトーシスを誘導する。炎症性カスパーゼによるピロトーシス誘導は免疫と内毒素ショックに非常に重要な役割を持つにもかかわらず、その機序は知られていない。今回我々は、マウス骨髄マクロファージで、カスパーゼ-11およびカスパーゼ-1が仲介するピロトーシスについて、ゲノム規模でのCRISPR(clustered regularly interspaced palindromic repeat)-Cas9ヌクレアーゼスクリーニングを行い、ガスダーミンD(Gsdmd)を見つけ出した。GSDMDを欠く細胞は、細胞質リポ多糖および既知の古典的インフラマソームのリガンドによるピロトーシスの誘導に抵抗性となった。Gsdmd−/−細胞では、カスパーゼ-1によるプロセシングは正常であるにもかかわらず、インターロイキン1β放出も低下していた。カスパーゼ-1およびカスパーゼ-4/5/11は、GSDMDのアミノ末端にあるガスダーミンNドメインとカルボキシ末端にあるガスダーミンCドメインの間のリンカーを特異的に切断し、これはピロトーシスの誘導に必要かつ十分だった。この切断によって内因性ピロトーシス誘導活性を示すガスダーミンNドメインに対する分子内阻害が解消された。ガスダーミンファミリーの他のメンバーは炎症性カスパーゼによって切断されないが、自己阻害は共通しており、脱毛症と皮膚欠損創を引き起こすGsdma3の機能獲得変異はこの自己阻害を妨げ、そのガスダーミンNドメインによるピロトーシス誘導を可能にする。これらの知見は、インフラマソームを介した免疫/疾患に対する手掛かりを与えるものであり、またピロトーシスとプログラムされたネクローシスについての我々の理解を変化させるものである。

