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微生物学:細胞間の配線によって行われているメタン酸化アーキアと細菌の間での電子伝達

Nature 526, 7574 doi: 10.1038/nature15733

硫酸が関わるメタンの嫌気的酸化(AOM)は、温室効果ガスであるメタンの海洋底からの放出を制御している。海底堆積物中でAOMを行っているのは、メタン–硫酸境界に生息する嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)と硫酸還元細菌(SRB)という2種からなるコンソーシアである。しかし、この全球に関連する過程を成り立たせている生化学経路や生物学的適応については十分に解明されていない。今回我々は、これらの微生物種の間で直接電子交換が起こるという仮説を検証するために、アーキアのANME-1と、共にコンソーシアを形成しているパートナーのSRBのHotSeep-1の間での好熱性AOM(TAOM)における60°Cでの栄養共生的相互作用を調べた。このTAOMコンソーシアの活性を、AOMのパートナー細菌であるHotSeep-1が水素を唯一の電子供与体として増殖していて、ANMEが存在しない状態の培養とまず比較した。このとき観察されたHotSeep-1の増殖を維持するのに十分な量の水素を好熱性ANME-1は生産できない。水素の添加によってHotSeep-1の増殖を促進すると、メタン酸化とANME-1の代謝活性が抑制される。TAOMの起こる条件下ではANMEとHotSeep-1細菌は共に細胞外シトクロム産生のための遺伝子を過剰に発現していること、またジオバクター(Geobacter)の栄養共生コンソーシア間での種間電子伝達を担うナノワイヤー構造によく似た細胞間接続が形成されることは、このコンソーシア内で共生している微生物間で電子が直接伝達されているという仮説に対するさらなる裏付けとなる。HotSeep-1は、コンソーシア内でメタンを使って増殖する際にだけ、線毛産生に関わる遺伝子を高度に発現し、HotSeep-1細胞を水素のある状態へと単離した場合には、ナノワイヤー様構造は見られない。これらの観察結果は、TAOMで働いている主要な機構は直接的な電子伝達であることを示しており、他のメタン酸化ANME–SRBコンソーシアの不可解な機能や特異性もこの機構によって説明できる可能性がある。

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