Letter

進化学:標的領域を絞った次世代DNA塩基配列解読法による鳥類(鳥綱)の包括的な系統発生解析

Nature 526, 7574 doi: 10.1038/nature15697

現生鳥類の系統発生の復元はこの10年間で大きく進んだが、新鳥上目(Neoaves;ほぼ全ての現生鳥類種を含むクレード)の進化史は、恐竜の系統分類学で依然として最大の未解決課題である。今回我々は、全ての主要な鳥類系統を代表する現生鳥類198種とワニ類外群2種のそれぞれから得た39万塩基を超えるゲノム塩基配列解読データという、これまでにない規模のデータを用いて鳥類の系統発生を調べた。塩基配列データはアンカー・ハイブリッド濃縮(anchored hybrid enrichment)法で収集し、合計で7.8 × 107塩基を超えるデータセットに関して平均1523塩基という長さの核座位259か所が得られた。ベイズ解析および最尤法解析により、全ての主要な鳥類系統に関して高度に支持されるほぼ同一の系統樹が得られた。新鳥上目では、5つの主要グレードが次々と、新鳥上目の残りのクレードと連続的に姉妹群を形成している。それらの主要クレードとは、(1)ヨタカ類、その他のヨタカ目、アマツバメ類およびハチドリ類を含むクレード、(2)カッコウ類、ノガン類およびエボシドリ類と、ハト類、クイナモドキ類およびサケイ類を合わせたクレード、(3)ツル類とその近縁群、(4)潜水鳥類、渉禽類や岸辺に生息する鳥類を全て含む水鳥全般のクレード、(5)陸鳥全般を含み、謎の多いツメバケイ(Opisthocomus hoazin)が残り部分との姉妹群として加わるクレードである。最近提案された新鳥上目の2大クレードColumbeaおよびPassereaは、いずれも単系統としての裏付けが得られなかった。分岐の年代に関する今回の解析結果は古生物学的記録と一致し、白亜紀–古第三紀(K–Pg)の大量絶滅の後にクラウン鳥類の大規模な放散が起こったことの裏付けとなる。

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