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幹細胞:ヒトiPS細胞から作製した腎臓オルガノイドは複数の細胞系譜を含み、ヒト腎臓発生を再現する
Nature 526, 7574 doi: 10.1038/nature15695
ヒトの腎臓は血液濾過を担う最大200万個の上皮性のネフロンを含んでいる。腎臓の再生には20種類以上の細胞の誘導が必要で、これらの細胞は排尿、pHの調節、体内の水分や電解質のバランスに必要である。我々は以前の報告で、ヒト多能性幹細胞の分化を制御し、集合管の前駆細胞とネフロンの前駆細胞の両方を同時に誘導した。しかし矛盾することに、集合管とネフロンは共に中間中胚葉を起源とする一方、その時間的・空間的な起源は異なるとされている。今回我々は、腎臓間葉の前駆細胞もしくは集合管の前駆細胞のどちらかを優先的に誘導制御する機構を突き止めた。この知見を用いて作製した腎臓オルガノイドは、集合管ネットワークに連結したネフロンを含み、それらを腎間質と血管内皮細胞が囲んでいた。このようなオルガノイド内部では、個々のネフロンは遠位尿細管や近位尿細管、初期のヘンレループ、腎糸球体に分節化され、腎糸球体は精巧な足突起を持つ足細胞を含み、糸球体血管新生の進行が見られた。腎臓オルガノイドの転写プロファイルをヒト胎児組織と比較すると、ヒト妊娠第1三半期の腎臓と最も高い一致を示した。近位尿細管はエンドサイトーシスによりデキストランを取り込み、さらに、腎毒性を示すシスプラチンに応答して特異的なアポトーシスを引き起こした。このような腎臓オルガノイドは、腎毒性スクリーニング、疾患のモデル化および治療のための細胞の供給源としてなど、将来の応用のための強力なヒト臓器モデルになる。

