Letter

計算神経科学:小脳プルキンエ細胞による活動の符号化

Nature 526, 7573 doi: 10.1038/nature15693

正確な眼球運動の実行は、小脳に依存する部分が非常に大きいことから、小脳の主たる出力ニューロンであるプルキンエ細胞が、眼球運動の前兆となっている可能性がある。しかし、この急速眼球運動(サッケード)のための活動の符号化については分かっていない。プルキンエ細胞には、サッケードの幅や方向に関連するような一貫した調節は見られず、また重要なことに、プルキンエ細胞の発火はサッケードの期間より長く続く。今回、行動下のアカゲザル(Macaca mulatta)の眼球運動を司る小脳虫部(oculomotor vermis)でプルキンエ細胞の発火を分析したところ、サッケードの期間に活動が増す、または減るニューロンが見つかった。この2つのニューロン群の活動の合算効果を、尾側小脳頂核への投射を介して推定すると、眼球のリアルタイムの動きを正確に予測する単純スパイク集合応答が現れた。プルキンエ細胞を、各細胞の複雑スパイクの方向同調特性に従って整理すると、単純スパイクの集団応答とゲイン・フィールドとの乗算によって、サッケードの速度と持続時間の両方をリアルタイムで推定できた。この結果は、プルキンエ細胞から小脳核各ニューロンへの入力の合算を介して、サッケード中の眼球のリアルタイムの運動を小脳から予測できることを示唆する。単純スパイクのゲイン・フィールド符号化は、1つの小脳核ニューロンに投射するプルキンエ細胞がランダムに選ばれるのではなく、それらが同じ複雑スパイク特性を共有する場合に現れてくる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度