Letter
社会進化学:実験的な社会的ネットワークにおける富の不平等と可視性
Nature 526, 7573 doi: 10.1038/nature15392
ヒトは比較的平等な資源分配を好むが、社会にはさまざまな度合いの経済的不平等が存在する。不平等を決定すると考えられる要因のいくつかと不平等がもたらす影響を調べるため、今回我々は、被験者が相互作用して富を得たり失ったりする「ネットワーク化された公共財ゲーム」を使って実験を行った。被験者(n = 1462)を、初期保有額が多い状態もしくは少ない状態にランダムに振り分け、3つの経済的不平等レベル(ジニ係数 = 0.0、0.2、0.4)がある社会的ネットワーク内に組み込んだ。そしてさらに、ネットワーク内の隣人の富の状態に関する可視性を操作した。その結果、富の可視性は、初期の不平等が招く影響を助長することが分かった。つまり、初期の不平等が大きい状況では、富が不可視であるよりも可視である方が、不平等はより大きくなる。この結果は、可視性に対する反応が、より豊かな被験者とより貧しい被験者で異なることを反映している。また、富の可視化は福祉に悪影響を及ぼし、全体的な協力や、相互連帯、富のレベルを低下させることも分かった。しかし、経済的不平等の初期レベルが高いだけでは、福祉に及ぼす悪い影響は比較的わずかであった。

