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がん:選択的転写開始はがんに見られる新規のALKアイソフォームの発現につながる

Nature 526, 7573 doi: 10.1038/nature15258

変異や転座、増幅などの遺伝子異常とは別の機構によるがん遺伝子の活性化は、ほとんど明らかになっていない。本研究では、黒色腫の約11%で発現し他の種類のヒトがんでも散発的に発現するが、正常組織では発現しない、ALK(anaplastic lymphoma kinase)の新規アイソフォームについて報告する。この新規のALK転写産物は、ALKイントロン19のde novoの選択的転写開始(ATI)部位から開始するもので、ALKATIと命名された。ALKATIを発現する腫瘍では、ATI部位に、活性化された転写開始部位に特徴的なクロマチン標識であるH3K4me3とRNAポリメラーゼIIが多く存在する。ALKATIは両方のALK対立遺伝子から発現し、ALK遺伝子座には頻発性の遺伝子異常は見つからないことから、この転写活性化はALK遺伝子座における遺伝子異常とは無関係なことが分かる。ALKATI転写産物は、分子量61.1、60.8、58.7キロダルトンの3つのタンパク質をコードしており、これらは主に細胞内チロシンキナーゼドメインからなる。ALKATIは複数のがん遺伝子シグナル伝達経路を刺激して、in vitroで増殖因子非依存的な細胞増殖を促進し、マウスモデルにおいてin vivoで腫瘍形成を促進する。ALK阻害剤は、ALKATIのキナーゼ活性を抑制できることから、ALKATI発現腫瘍を持つ患者に有効である可能性が示唆される。今回の知見は、de novoの選択的転写開始を介した、がんにおける新規のがん遺伝子活性化機構を示唆するものである。

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