Letter
材料科学:非アフィン熱ひずみによる金属ガラスの構造若返り
Nature 524, 7564 doi: 10.1038/nature14674
複数相からなる固体や、単一の非立方晶相からなる多結晶(異方性伸縮を示す)に対して、空間的に一様な温度変化を与えると、熱ひずみは不均一(非アフィン)になる。熱サイクルによって内部応力が生じ、通常は好ましくない構造変化や特性変化が起こる。ガラスは、液体を冷却しても結晶化が起こらない場合にできる固体であり、多結晶に伴う微細構造の特徴や欠陥が存在せず、究極の均一固体と見なし得る。今回我々は、低温熱サイクルが、ガラス、具体的には金属ガラスに及ぼす影響を調べた。我々は、均一性から影響がないと予想されるのに反して、熱サイクルによって構造若返りが生じ、エネルギーが高くより緩和されていない状態になることを示す。我々はこの結果を、ガラス転移に向けて液体を冷却すると液体のダイナミクスが不均一化するため、生成したガラスに不均一性が存在している可能性があるとの見方から解釈する。例えば、ガラス状シリカの振動ダイナミクスは、長波長では弾性連続体のものであるが、波長が約3 nm未満の場合、異方性結晶粒を持つ多結晶体のものに類似している。金属ガラスに熱サイクルを加えるのは容易であり、圧縮可塑性の向上をもたらす。そうした効果が実現できるのは、ガラス構造に内在する不均一性のためであり、そうした構造不均一性が不均一な熱膨張係数をもたらす。金属ガラスは、とりわけ熱サイクルに適している可能性がある一方で、ガラス全般における非アフィン性のひずみは、応力が加わることによって生じるにせよ温度変化によって生じるにせよ、今後の研究に値する。

