Letter
宇宙論:宇宙のクモの巣構造に関連した巨大な原始銀河円盤
Nature 524, 7564 doi: 10.1038/nature14616
銀河間物質由来のガスから、銀河が形成され、エネルギーが供給される仕組みの詳細は、まだよく分かっていない。流体力学的シミュレーションからは、宇宙のクモの巣構造のフィラメントに沿って暗黒物質ハローへ流れ込む、比較的低温(104のオーダーの温度)で衝撃を受けていないガスの流れである「低温の降着流」が重要であることが示唆されている。こうした流れは、銀河を取り巻く物質へガスと角運動量を蓄積して、円盤状やリング状の構造を作り、最終的にそれらが合体してフィラメント状の交差部分で銀河が形成されると考えられる。最近、狭帯域撮像を用いて、そのような低温降着流と矛盾しない、大規模で明るいフィラメントが、赤方偏移2.279に位置する準恒星状天体QSO UM287の近くで発見された。残念ながら、撮像では、フィラメントの物理学的な特性を絞り込んだり、運動を決定したり、フィラメントが近傍の放射源とどのように関連しているかや、またフィラメントに予想される明るさの10倍以上というその異常な明るさを説明したりするには不十分である。本論文では、放射構造の二次元分光研究について報告する。我々は、最も明るい放射領域が、1013太陽質量の暗黒物質ハロー内のガスに特徴的な速度分布を示す、広がった回転する水素ガスの円盤であることを見いだした。この巨大な原始銀河円盤は、ハローのビリアル半径を越えて広がっている可能性のある静穏なフィラメントと関連があるように思われる。その形状は、低温降着流を強く示唆している。

