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集団遺伝学:ネアンデルタール人を近い祖先に持つルーマニアの初期現生人類
Nature 524, 7564 doi: 10.1038/nature14558
ネアンデルタール人は、ヨーロッパでは約4万1000~3万9000年前に消滅したと考えられているが、現在のユーラシアの人々のDNAの1~3%に寄与している。今回我々は、ルーマニアのペシュテラ・ク・ワセ(Peştera cu Oase)で出土した4万2000~3万7000年前の現生人類のDNAを解析した。この標本に含まれるヒトDNAは少量であったが、濃縮法を用いて、この個体とネアンデルタール人および現代人との類縁関係に関する情報が得られる複数の部位を単離した。その結果、このワセ個体のゲノムは約6~9%がネアンデルタール人に由来することが分かった。この比率は、これまでに塩基配列が解読されたどの現生人類のものよりも高い。ネアンデルタール人由来の3つの染色体セグメントはサイズが50センチモルガンを超えており、この個体のわずか4~6世代前の祖先にはネアンデルタール人が1人いたことが示唆された。しかし、このワセ個体は、その後のヨーロッパ人と共有する対立遺伝子を東アジア人と共有する対立遺伝子よりも多く持っているわけではなく、このことからワセ集団はその後のヨーロッパの人々に実質的に寄与しなかったことが示唆される。

