Article
微生物学:バイオフィルムでは代謝の共依存が集団レベルでの成長速度の振動を引き起こす
Nature 523, 7562 doi: 10.1038/nature14660
1つの群集内に存在する細胞は、協力し合うこともあれば、資源をめぐって互いに競争することもある。こうした逆の相互作用が集団レベルでどのように解消されているのかはいまだに分かっていない。今回我々は、枯草菌(Bacillus subtilis)のバイオフィルムで、微生物群集内でのそうした対立について調べた。バイオフィルム辺縁部の細胞は、外部の攻撃から内部の細胞を保護するだけでなく、栄養素を消費することで内部の細胞を飢餓状態にもさせる。こうした保護と飢餓の対立は、辺縁部細胞と内部細胞の間の長期的な代謝の共依存の出現によって解消されていることが分かった。結果として、バイオフィルムの成長は周期的に中断し、保護されている内部細胞の栄養素の利用可能性が増大する。バイオフィルムの成長に見られるこの集団レベルでの振動は、化合物による攻撃の際に群集に利益をもたらすことが明らかになった。これらの知見は、成長速度の振動が空間的および時間的に競合している代謝要求を調整することによって、集団レベルでの対立の解消を助けていることを示しており、バイオフィルムの成長を制御するための新しい戦略を示唆している。

