Letter
生化学:筋肉で細胞のエネルギー分配に働くミトコンドリアの細網構造
Nature 523, 7562 doi: 10.1038/nature14614
細胞内のエネルギー分配には大きな関心が寄せられており、骨格筋では代謝産物の促進拡散を介して起こると提案されている。しかし、遺伝的証拠から、促進拡散は正常な機能に不可欠ではないことが示唆されている。我々は、骨格筋ではミトコンドリアの構造が代謝産物の拡散距離を最小にしているという仮説を立てた。今回我々は、ミトコンドリアの細網構造が、マウスの骨格筋細胞全体にわたり、プロトン駆動力の形で、エネルギー分配のための伝導路になっていることを実証する。この細網構造内では、細胞辺縁部選択的に存在していてミトコンドリアのプロトン駆動力産生に関連するタンパク質群、そして細胞内部の収縮系および輸送系のATPアーゼ近傍に存在していてATP産生のためにプロトン駆動力を用いるタンパク質群が見いだされた。さらに、細胞内部の空間的に制御された脱共役に応答して、細胞全体でプロトン駆動力の膜電位成分の迅速かつ協調した脱分極が見られた。我々は、ミトコンドリアの細網構造を介した膜電位伝導が骨格筋エネルギー分配の主要な経路であると提案する。

