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幹細胞:親幹細胞は娘細胞のニッチとして働き得る
Nature 523, 7562 doi: 10.1038/nature14553
幹細胞は複数の供給源からの入力を統合している。幹細胞ニッチは幹細胞の維持を促すシグナルを供給するが、一方、分化した娘細胞は、幹細胞の複製と分化を調節するフィードバックシグナルを供給することが知られている。最近では、幹細胞はオートクリン機構を使って自身を調節することが示されている。「幹細胞ニッチ」の存在は、造血幹細胞の維持に必要な局所的環境を特徴付けるため、1978年にSchofieldにより初めて提唱された。以来、幹細胞ニッチの特性に焦点を合わせた研究がますます増えている。しかし、前駆細胞と分化した細胞の数と比率がどのようにして維持されるのかについてはあまり分かっていない。気道上皮では基底細胞が幹/前駆細胞として働き、この細胞は自己複製することができ、かつ、分化した分泌細胞と繊毛細胞を産生することができる。分泌細胞は一時的に増殖する細胞としても働くことができ、最終的には有糸分裂後繊毛細胞へ分化する。本研究では、成体哺乳類の幹/前駆細胞が、自身の子孫細胞へ順方向性のシグナルを伝える細胞調節様式について報告する。意外にも、この順方向性シグナルは娘細胞の維持に必要であることが分かった。我々は細胞除去、細胞系譜追跡、シグナル伝達経路の調節を組み合わせて用い、気道基底幹/前駆細胞がNotchリガンドを娘分泌細胞へ継続的に供給することを示す。これらの順方向性シグナルがないと、分泌前駆細胞のプールが維持されず、分泌細胞は最終分化プログラムを実行して繊毛細胞へ変化してしまう。従って、親の幹/前駆細胞は、機能的な娘細胞ニッチとして働くことができる。

