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免疫学:自己免疫と感染におけるT細胞疲弊、共刺激および臨床転帰

Nature 523, 7562 doi: 10.1038/nature14468

自己免疫疾患および感染性疾患の臨床過程は変動が大きく、同じ病気の患者の間でさえ大きく異なる。このような不均一性の分子基盤が解明されれば、疾患の監視と治療の両方に大きな改善がもたらされる可能性がある。慢性感染の際には、T細胞の疲弊進行が免疫応答を阻害し、ウイルスの存続を促す。今回我々は、CD8 T細胞の疲弊状態を表す転写シグネチャーは、慢性ウイルス感染のクリアランス不良と関連するが、複数の自己免疫疾患では逆に、より良好な予後の前兆となることを示す。慢性感染の際のCD8 T細胞疲弊の進行は、抗原の持続および補助的な「ヘルプ」シグナルの欠如の両方によって引き起こされる。自己免疫においては、CD4 T細胞共刺激の証拠が明白な場所では、CD8 T細胞疲弊の証拠が減ることが分かった。疲弊のシグネチャーは、in vitroでヒトCD8 T細胞に対して与えられるT細胞抗原受容体の持続的刺激と特異的CD2誘導性共刺激のバランスを変化させることで再現可能であり、これらの2つの過程はそれぞれ、自己免疫疾患の転帰に影響する役割を担っていると考えられる。CD2誘導性共刺激によって促進される「疲弊していない」T細胞状態は、疲弊と関連した抑制性受容体PD-1を介したシグナルによって減少するので、疲弊の誘導は自己免疫性および炎症性の疾患での治療戦略となる可能性が考えられる。独立したデータセットにおける共刺激/疲弊のシグネチャーの最適な代用マーカーの発現を使って、こうしたシグネチャーが、感染(C型肝炎ウイルス)およびワクチン接種(黄熱病、マラリア、インフルエンザ)では良好な臨床転帰もしくは治療応答と関連することが確認されたが、自己免疫疾患および炎症性疾患(1型糖尿病、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、全身性エリテマトーデス、特発性肺繊維症およびデング出血熱)では転帰不良と関連することが分かった。従って、T細胞疲弊は自己免疫疾患の転帰決定に中心的な役割を担っており、この過程を標的とした操作は新たな治療機会につながる可能性がある。

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