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大気科学:大気循環パターンの変化の極端な気温傾向への寄与

Nature 522, 7557 doi: 10.1038/nature14550

地表の気象状態は、地球大気の大規模循環によって密接に支配されている。一部の極端な気象現象の発生が近年増加しているため、大気循環の変化と極端な事象の発生確率の増加を結び付ける機構仮説が複数生まれている。しかし、大気循環の長期変化の観測証拠には、まだ確定的なものがない。今回我々は、大気循環パターンの発生に統計的に有意な傾向を見いだした。この傾向によって、北半球中緯度域の7つの地域における地表気温の極端な事象に観測される傾向が部分的に説明される。我々は、自己組織化写像クラスター分析を用いて、衛星観測時代(1979~2013年)と北極の海氷が急減している近年(1990~2013年)の両方の期間における、こうした地域のサブセットの循環パターンにはっきりとした傾向を発見した。特に大きな影響としては、ユーラシア大陸の一部および北米大陸の一部における夏季と秋季の極端な高温事象に対する高気圧性循環の強化傾向の寄与や、中央アジアにおける冬季の極端な低温事象に対する北風の強化傾向の寄与が挙げられる。今回の結果は、観測された極端な気温の発生頻度の変化は大部分が地域的スケールおよび全球スケールの熱力学的変化に起因するが、局所的な循環パターンの頻度、持続性、最長持続時間の最近の変化によって、一部の地域の極端な気温のリスクも変化することを示している。

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