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惑星科学:海王星質量程度の温かい系外惑星GJ 436bから散逸しつつある巨大な彗星様水素雲

Nature 522, 7557 doi: 10.1038/nature14501

親星に近接して周回している系外惑星は、親星からの放射が非常に強いため大気の一部を失う可能性がある。大気の質量損失は、主に低質量系外惑星に影響を及ぼすので、熱い岩石惑星はもともと海王星に似た惑星であったが、後に全大気を失った可能性があると示唆される。しかし、信頼できる観測結果はこれまで得られていない。大気の質量損失の特徴は、惑星と散逸するその大気が恒星の前をトランジットする際に紫外スペクトル領域で観測することができる。これは、可視スペクトル領域よりも深くて長いトランジットの特徴を示す。本論文では、海王星質量程度の系外惑星GJ 436b(別名グリーゼ436b)のトランジット減光の深さが、紫外線領域において56.3 ± 3.5%(1σ)であり、0.69%という可視光領域におけるトランジット減光の深さをはるかに超えることを報告する。紫外線領域でのトランジットは毎回、約1時間という可視光領域でのトランジットの約2時間前から始まり、3時間以上後で終わっている。これは(正確でない天体暦に基づいた)今までの主張とはかなり違う。このことから、GJ 436bが、主に水素原子からなる大きな外気圏雲によって覆われており、それを引きずって動いていると我々は推測する。我々の見積もりでは、質量損失速度は108~109 g s−1程度である。この速度はあまりに小さいため、海王星に似た惑星の大気を親星の寿命内に枯渇させることはできないが、かつてはずっと大きかった可能性がある。

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