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進化学:性選択は絶滅を防ぐ

Nature 522, 7557 doi: 10.1038/nature14419

有性生殖にはかなりのコストが掛かるが、その主な理由は、有性の成体のうち半数しか子を生まないからである。理論的には、性があることで性選択が可能となって、変異荷重による適応度の普遍的制約を解消できれば、有性生殖に掛かるコストを相殺できるのではないかと考えられている。性選択の下では、(通常は)雄同士の競争と(通常は)雌による配偶者選択が繁殖成功のための重要な種内フィルターを形成し、そのため一部の雄しか父親になることができない。性選択下での繁殖成功が変異荷重に付随する個体条件に依存するならば、「遺伝子獲得(genic capture)」を介した性選択によるフィルタリングは、集団に遺伝学的利益をもたらすので、有性生殖のコストを相殺する可能性がある。今回我々はこの理論を実験的に検証するため、強い性選択と弱い性選択の来歴をそれぞれ有する集団が変異荷重を除去して絶滅に耐える程度を比較した。コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)の反復実験集団を、性選択の強度のみが異なる条件下で6~7年にわたって進化させた後、近親交配を利用して変異荷重を洗い出した。過去に強い性選択を受けた集団に由来する系統は、近親交配下において絶滅に対する抵抗性を示して適応度を維持し、一部の家系はきょうだい同士の交配を20世代続けても存続した。対照的に、弱い性選択を受けたか性選択を全く受けなかった集団に由来する系統では、近親交配下で適応度の急激な低下が見られ、10世代後には全て絶滅した。ゲノム全域に存在する個々の影響が小さな多数の変異は、明確にすることは困難だが、総和としては大きな適応度荷重になる可能性があり、今回の知見は、性選択がこの荷重を軽減し、遺伝的ストレスに直面した集団の生存率を向上させることを明らかにしている。

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