分子生物学:ショウジョウバエの発生エンハンサーのin vivoにおけるゲノム規模での機能的特徴付け
Nature 512, 7512 doi: 10.1038/nature13395
転写エンハンサーは、遺伝子発現および動物の発生で非常に重要な制御因子として働いており、それらのゲノム構成、空間的時間的活性、塩基配列特性の特徴の解明は、現代生物学における重要な目標である。本研究では、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)で、非コード・非反復ゲノム塩基配列の13.5%をカバーする7,705個のエンハンサー候補について、胚発生全体を通じたin vivoでの活性特性を調べた。そのうち3,557個(46%)の候補で活性が見られ、全ゲノム中では5万~10万個の発生エンハンサーが高い密度で存在することが示唆される。エンハンサーの大部分は、特異的な空間的パターンを示し、それらのパターンは発生中に非常に動的だった。ほとんどのエンハンサーは近傍の遺伝子を制御しているらしく、このようなシス制御性ゲノムは局所で領域に組織化されていることが示唆され、これらの領域は、染色体ドメインやインシュレーターの結合、ゲノムの進化により裏付けられる。しかし、12〜21%のエンハンサーは、発現しない近傍遺伝子をとばして、より遠くの遺伝子を制御しているようである。さらに我々は、エンハンサー活性に必要とされる予測シス制御モチーフを計算的に見つけ出し、実験的に確認した。本研究は、キイロショウジョウバエの制御性ゲノムの構成と、エンハンサー塩基配列の構造についての広範囲にわたる知見をもたらし、以前の研究で示された原理を確証して一般化するものである。全てのエンハンサーのパターンは、統制語彙を用いて手動で注釈付けされており、全ての結果はウェブ上のインターフェース(http://enhancers.starklab.org)から利用でき、そこには任意の拡大レベルで手動観察が可能な、全スライドの生顕微鏡画像も含まれている。

