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生物地球化学:完新世におけるサーモカルスト湖の炭素源から炭素シンクへの変化

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13560

サーモカルスト湖は、最終退氷期にシベリアとアラスカの広大な地域で形成され、完新世において大気中のメタンと二酸化炭素の正味の供給源になったと考えられている。しかし、同じサーモカルスト湖が炭素を隔離することもでき、サーモカルスト湖による炭素の取り込みが温室効果ガスの放出を相殺するかどうかは、まだよく分かっていない。今回我々は、シベリアの永久凍土の露出面の野外観測、放射性炭素年代測定、空間分析を用いて、融解した更新世の永久凍土の上に存在する湖沼堆積物の、完新世の炭素貯蔵量と炭素フラックスを定量化した。その結果、最終退氷期以降に深いサーモカルスト湖の堆積物に蓄積された炭素量は、湖が最初に形成された際に温室効果ガスとして放出された更新世の永久凍土の炭素量より約1.6倍多いことが分かった。融解後のメタンと二酸化炭素の放出は、即座に放射加熱をもたらすが、泥炭に富んだ堆積物における炭素の取り込みは、1000年の時間スケールで生じる。我々は、大気変動モデルを用いて気候に対するサーモカルスト湖の炭素フィードバックを見積もり、サーモカルスト湖水盆地の気候効果は、約5000年前に正味の放射加熱から放射冷却に移行したことを見いだした。20の湖沼堆積物において、年間1平方メートル当たり炭素47 ± 10 g (平均±標準誤差)という完新世における炭素の急速な蓄積をもたらしたのは、サーモカルストの浸食と陸起源有機物の分解、湖の生産性を向上させる栄養分の永久凍土の融解による放出、寒冷で無酸素性の湖底における緩やかな分解であった。湖の水が偶発的に排出されると、永久凍土が形成されて堆積物の炭素が急速に隔離された。約160ペタグラムというシベリアとアラスカの深い湖水盆地における完新世の有機炭素についての我々の見積もりは、極域周辺の永久凍土域の泥炭の炭素プールの見積もりを50%以上増加させた。永続的に凍結している排水された湖の堆積物の炭素は、永久凍土が消失するにつれて、鉱化作用を受けやすくなり、完新世末期にサーモカルスト湖がもたらした気候安定化を打ち消した可能性がある。

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