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個体群生物学:気候変動は縮小するオットセイ個体群でヘテロ接合性を選択する

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13542

全球的な環境変動は多くの生物システムで選択圧を変化させると予想されているが、選択の変化の定量化に必要となる長期的な分子データや生活史データはほとんど存在しない。南大西洋の縮小しつつあるナンキョクオットセイ個体群から収集された30年にわたる個体規模のデータは、研究のための貴重な機会をもたらす。この地域では、気候変動によって利用可能な獲物が減少し、そのためにナンキョクオットセイの出生時体重が有意に減少している。だが一方で、繁殖集団に加わる雌の平均年齢や平均サイズは上昇している。今回我々は、そうした雌では、繁殖集団に加わらない姉妹や自身の母親と比べて、ヘテロ接合性(個体内の遺伝的変動の指標)が有意に高いことを示す。これにより、繁殖する雌のヘテロ接合性は、この20年で1世代当たり8.5%上昇した。しかし、ヘテロ接合性は母親から娘に受け継がれないため、ヘテロ接合体の優位性の大部分は世代を超えて伝達されることはなく、ホモ接合個体の生存能力の低さによって個体群は縮小する。今回の結果は、気候変動による選択が強まりつつあり、個体群統計学だけでなく表現型の変動や遺伝的変動にまで広範な影響が及んでいることを裏付ける有力な証拠となる。

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