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構造生物学:H10亜型インフルエンザウイルスによる受容体結合
Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13443
鳥インフルエンザウイルスH10N8亜型は、H7N9亜型やH5N1亜型などのヒトで重症の疾患を引き起こす一連の鳥インフルエンザウイルスの中で最も新しいもので、公衆衛生上の脅威となっている。2013年12月以降、ヒトのH10N8感染は3例が報告されており、その内の2人は死亡したことが知られている。H10亜型の流行可能性に関する証拠を集めるために、我々は以前に単離された鳥H10ウイルスのヘマグルチニンの構造を決定した。また、ウイルスの伝播性の主要決定因子と考えられるその受容体結合特性に特異的に関連する結果も示す。我々の結果は、H10ウイルスがヒト受容体に対して高いアビディティーを持つことを示している。さらに、鳥H10ヘマグルチニンとヒト受容体から形成された複合体の結晶構造からは、結合した受容体のコンホメーションが1918年H1N1亜型パンデミックウイルスと2013年に患者から単離されたヒトH7ウイルスの両方の特徴を持つことが明らかになった。鳥H10N8ウイルスのヒト受容体に対するアビディティーは、ヒトへのその感染を説明するのに十分な強さだが、鳥受容体に対する選好性のために、鳥受容体が大量に存在するヒト気道ムチンが感染拡大に対する効果的な阻害物質となる可能性が高いと結論される。監視に関しては、H10ヘマグルチニンの受容体結合部位に生じる変異で、鳥受容体に対するアビディティーを低下させ、ヒト間の伝播を起こりやすくする可能性のあるものの検出に特に注意が必要だろう。

