Letter
医学:プラスモジウムの有性生殖への拘束と発生を引き起こす一連のDNA結合タンパク質
Nature 507, 7491 doi: 10.1038/nature12970
プラスモジウム属の原生生物であるマラリア原虫が蚊によって伝搬されるには、有性段階への拘束と発生完了が不可欠である。しかし、この拘束に関わる分子機構は、これまで解明されていない。今回我々は、ネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei)では無性生殖による増殖段階から有性的発達への拘束に、アピコンプレクス類AP2(ApiAP2)ファミリーに属する、保存されたDNA結合タンパク質PbAP2-Gが必要であることを明らかにした。PbAP2-Gは、これをコードする遺伝子PBANKA_143750の変異によって見つかった。この変異は、血液を介して人為的に感染させた原虫で高頻度に観察される有性的発達欠落の原因である。プラスモジウムで保存されている複数のApiAP2遺伝子を体系的に欠失させることでPbAP2-Gの役割が確認され、また生殖母体(ガメトサイト)の形成を大幅に変化させるが、消失させることはない第二のApiAP2タンパク質(PBANKA_103430、PbAP2-G2と命名)の存在が明らかになり、一連のApiAP2タンパク質が生殖母体の形成、成熟への拘束に関与していることが示された。これらのデータは、プラスモジウムでの生殖母体形成への拘束機構がPbAP2-Gが関わる正のフィードバックループであるとすることと一致する。この機構は、命に関わるマラリア原虫の伝搬防止に使える可能性がある。

