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惑星科学:ベスタ表面の意外な所にあるカンラン石
Nature 504, 7478 doi: 10.1038/nature12665
カンラン石は、地球など分化した天体のマントルの主成分である。ホワルダイト、ユークライト、ダイオジェナイト(HED)隕石は、太陽系の中で唯一生き残った大きな分化した玄武岩質原始惑星である小惑星ベスタのレゴリス、玄武岩質地殻、下部地殻、さらに場合によっては超苦鉄質マントルのサンプルである。これらの隕石のうち、斜方輝石に富んだダイオジェナイトはわずかであり、一般的に25体積パーセント以下の濃度でカンラン石を含む。スペクトルデータやカラーデータに基づいて、ベスタ表面でカンラン石が暫定的に同定されていたが、別の観測ではその存在は確認されていなかった。本論文では、カンラン石は実際に、ベスタ表面のある限定的な領域に存在するが、意外にもマントル岩石がむき出しになっていると思われている深い南極の盆地では発見されなかったことを報告する。その代わりに、カンラン石は北半球の表面近くにある物質として存在する。隕石と違って、50体積パーセント以上のカンラン石に富んだ物質はダイオジェナイトと関係がなく、最も一般的な表面物質、ホワルダイトと混ざっているように見える。カンラン石は、クレーター壁や広い範囲に散乱した放出物の中で露出している。露出したカンラン石のサイズやダイオジェナイトとの無関係性はマントル起源であることを裏付けているが、露出物は深い衝突盆地から離れた所にある。観測されたカンラン石に富んだ物質の量や分布は、ベスタの複雑な進化史を示唆している。

