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物理学:対称性によるホルミウム単原子の磁気モーメントの安定化
Nature 503, 7475 doi: 10.1038/nature12759
非磁性体表面上の単一磁性原子や磁性原子集合体は、高密度磁気記憶媒体や量子コンピューティングのプラットフォームとして使用できる可能性があるため、近年注目を集めてきた。それらの量子力学的性質に起因する根源的な問題は、磁性原子の局在磁気モーメントが、電子や核スピン、基板の格子振動との相互作用によって容易に不安定化することである。磁気モーメントを安定化させるために高磁場を印加した場合でさえ、観測される緩和時間はかなり短い(1マイクロ秒未満)。これまで、ゆらぎに対して磁気モーメントを安定化させるいくつかの手段が提案されてきた。磁性原子と基板間の薄い絶縁体層により基板の伝導電子との相互作用を抑制するとか、いくつかの磁気モーメントを結合させて量子力学的ゆらぎを減少させるなどである。今回我々は、高導電性金属基板上の単一ホルミウム原子の磁気モーメントの緩和時間が、約数分に達し得ることを示す。系に固有のいくつかの対称性、すなわち、時間反転対称性、全角運動量の内部対称性、磁性原子の局所環境の点対称性が見事に組み合わさって、必要とされる電子、核スピン、格子振動の熱浴からの分離が実現される。

