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細胞生物学:インテグリンシグナル伝達の方向切り替えスイッチと新しい抗血栓形成戦略

Nature 503, 7474 doi: 10.1038/nature12613

インテグリンは血栓形成と止血に重要な役割を果たしている。血小板のインテグリンαIIbβ3のアンタゴニストは強力な抗血栓薬であるが、出血を引き起こすという命に関わる副作用も持つ。従って、出血を引き起こさない新しいアンタゴニストの開発が望まれている。インテグリンは、シグナルを両方向に伝達する。細胞内から外へのシグナル伝達は、テーリンに依存した機構によってインテグリンを活性化する。インテグリンの連結は、血栓形成と外から内へのシグナル伝達を生じさせるが、それにはGα13が必要であり、また、これが血栓を著しく大きくする。今回我々は、Gα13とテーリンが、インテグリンβ3の細胞質ドメイン内の異なった部位に相互排除的に結合し、結合の波が対向型になることを明らかにする。テーリン結合の最初の波は、内から外へのシグナル伝達を仲介し、リガンドが誘発するインテグリン活性化をも引き起こすが、これは外から内へのシグナル伝達には必要ではない。インテグリンの連結によってテーリンの一時的な解離が引き起こされると、Gα13がEXEモチーフ(Xは任意の残基を表す)に結合し、これが外から内へのシグナル伝達を選択的に仲介して、血小板を分散させる。テーリン結合の第二の波に伴って、血餅は退縮する。Gα13–インテグリンの結合を阻害するEXEモチーフを用いる阻害剤は、インテグリンの連結には影響しないが、外から内へのシグナル伝達を選択的に遮断し、出血時間には影響せずに閉塞性動脈血栓形成を抑制する。従って、我々はインテグリンシグナル伝達の方向性を切り替える新しい機構を明らかにし、この機構に基づいて、出血を引き起こさない新しい強力な抗血栓薬を設計した。

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