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構造生物学:ドーパミン輸送体のX線構造により明らかになった抗うつ剤の作用機構

Nature 503, 7474 doi: 10.1038/nature12533

Na+/Cl共役型の神経伝達物質取り込みを標的とした抗うつ剤は、臨床的うつ病や神経障害性疼痛を治療する際の主な治療戦略となる。しかし、これらの輸送阻害剤の薬理活性の基礎となる分子相互作用、さらに、阻害剤がシナプスの神経伝達物質レベルを上昇させる機構はまだ同定されていない。今回我々は、三環系抗うつ剤ノルトリプチリンと結合したキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)ドーパミン輸送体の3.0 Å分解能の結晶構造を示す。輸送体は、ノルトリプチリンが膜貫通へリックス1、3、6、8の間に挟まって外向きに開いたコンホメーションに固定されており、基質を結合したり、内向きのコンホメーションへと異性化したりできないようになっていた。ドーパミン輸送体の全体構造は、原核生物ホモログであるLeuTと似ているが、膜二重層の途中での膜貫通へリックス12の折れ曲がり、細胞質側の入り口をふさぐ掛け金様のカルボキシ末端へリックス、膜貫通へリックス1a、5、7により形成される溝に挟まったコレステロール分子など、いくつかの違いがある。これらをまとめると、ドーパミン輸送体の構造からナトリウム共役型神経伝達物質共輸送体に対する抗うつ剤の作用の分子基盤が明らかになり、真核生物の輸送体の構造の重要な要素と脂質による調節も明らかになる。これにより、化学シナプスにおける神経伝達物質の取り込み機構とその調節についての理解が深まった。

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